■ 夜魅影家の人々 - 第???話 Q極の「おせち」 ■
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俺の名は「夜魅影 聖也(やみかげ せいや)」ごく一般的な高校生・・・だとおもう。
母の都合で新年は親父と爺さん、そして妹たちと介護用に開発された試作ヘルパーロボットである「ぐり子」の6人で
新年を迎えることになった。
家族内では一番料理の上手な母が数日間の外出をするということで
親父たちの了解を得て妹の奈緒と美緒が「共同購入型クーポン」を利用し、定価「\21,000-」のおせち料理を
半額の「\10,500-」で購入し、本来の到着時間とは少々遅れながらも無事に我が家にやってきた!
親戚の姉妹も年始の挨拶に来るとの事で、皆が揃った所で挨拶と食事を行う予定だ。
気持ちの良い朝と新年を向かえ、何一つ変わりない家族と過ごす時間・・・
今日も「いつもの毎日」が始まると少々退屈気に思っていた矢先にまさかの出来事が!!

【 聖史郎(角刈りの男) 】
おせち料理が予定より遅れて届いたが、神谷の姉妹もまだ到着してない・・・
テーブルの上を片付けながら食事の準備を進めておこう!
【 聖也 】
ああ、そうだな! ぐり子・・・片付けと食事の準備だ。手伝ってくれ!
【 ぐり子(猫耳のメイド) 】
はいですの!!
【 美緒(眼鏡の少女) 】
お姉ちゃん! おせちだよ。おせち〜♪
【 奈緒(リボンの少女) 】
きっと見本みたいにすっごく豪勢で立派な中身だよ! 味もたしかなら言うこと無しだね♪

【 聖也 】
それじゃ・・・2万円の「おせち料理」を拝ませてもらおうかッ!!
【 聖眼(白髪の爺) 】
おう、やれい聖也よ!
【 全員 】
・・・ ・・・ ・・・ッ!

【 奈緒 】
何これ?
【 聖也 】
おせち? 残飯?
【 聖史郎 】
これで4人前?
【 聖眼 】
まるで叩きつけた様に盛り付けた、雑な盛り付けじゃな!
【 美緒 】
見本の写真と全然内容や見た目が違うし・・・第一、食材が書いてあった一覧と違って少なくない?
【 聖也 】
おいおい、チーズってホイルに包まれたまま?
【 奈緒 】
どう見ても「6Pチーズ」の中の1個です。ありがとうございました!
【 ぐり子 】
あの・・・卵巻き二切れですの。これを四人で取り分けるんですの?

【 美緒 】
これで・・・1万円なの?
【 奈緒 】
いや、嘘だよね?

【 聖也 】
いや、何かの間違いだろ、電話してみようよ、お店に
【 聖眼 】
なんじゃ? 店に繋がらんのか・・・

【 聖也 】
もう、20回は掛けたぜ! でも繋がって呼び出し音が鳴ったかと思えば切れる・・・
どうなってるんだ?
【 奈緒 】
休みなんじゃないの?
【 聖也 】
だったら何処に問い合わせれば良いんだ?
【 美緒 】
ねぇ? これ食べちゃって良いのかな?
【 聖眼 】
返品のしようがないのにのう・・・

【 れみな(背の高い金髪娘) 】
来たわよ!
【 聖也 】
おう! あけおめことよろ!!
【 聖眼 】
なんて挨拶の仕方じゃ!
【 みかる(背の低い金髪娘) 】
みなさん、明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします!
【 奈緒 ・ 美緒 ・ ぐり子 】
二人ともおめでとう! こちらこそよろしくね! ですの♪
【 聖史郎 】
みかるちゃんは偉いなぁ・・・丁寧な挨拶ができるんだから!
【 れみな 】
聖也、ダメじゃないのよぅ・・・そんな挨拶じゃ!
【 聖也 】
俺かよッ!

【 れみな 】
あれ? おせち・・・もう食べ始めちゃってたの?
【 聖也 】
いや、これ開けたばっかりで、まだ手付けてない状態なんだけど・・・
【 ぐり子 】
お重の蓋を開けた時から、この状態ですの!
【 れみな 】
う、嘘・・・
【 奈緒 ・ 美緒 】
酷いよねぇ、酷いよねぇ!
【 みかる 】
あ〜っ! このお重のおせち・・・せいらさんが、ご挨拶用にお父さんに持たせたのと同じだね!
Q極の「おせち」 完
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